映画『10 Years』(監督:ジェイミー・リンデン)観賞。★★★★★。
チャニング・テイタムが製作・主演を務めた2011年の劇映画で、高校卒業から10年後に開かれた同窓会の一夜を描いた若中年もの群像ドラマ。まだ3年前の作品だけど、チャニング・テイタム/クリス・プラット/オスカー・アイザック/アンソニー・マッキー/ロザリオ・ドーソン/ジャスティン・ロング/オーブリー・プラザが揃い踏みって凄すぎるな。もう今後は実現不可能であろう。ちなみにオスカー・アイザックは歌手役で、ボブ・ディラン/バーズの「You Ain't Going Nowhere」を歌ったりしていてほとんど『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』の前哨戦のような感じ。
本作を観ると、チャニング・テイタムという人は「真っ当な青春を過ごせなかった」という想いが非常に大きなオブセッションとなっていることがよく分かる。本作以降に彼が製作を務めた劇映画を観てみても、自伝的な『マジック・マイク』は「(世間一般的な意味において)真っ当ではない青春」に光をあてるドラマで、『21ジャンプ・ストリート』は「青春をやり直す」コメディ。どれも本作の一要素の拡大再解釈なのである。そして、どの作品においてもはみ出し者達に対する視線の優しさが本当に素晴らしい。本作はそんなチャニング・テイタムの映画製作者としての「核」を知る上でも必見でしょう。