「女の友情」ということではエミリー・モーティマーとドリー・ウェルスの脚本・主演・製作によるTVシリーズ『Doll & Em』が素晴らしかった。監督は以前にオフ会で特集した『Terri』のアザゼル・ジェイコブス! 実生活でも子供の頃からの大親友であるエミリー・モーティマーとドリー・ウェルスがそれぞれ本人役を演じる半ノン・フィクションな作りなので、(これまた以前にオフ会で特集した)『City Island』繋がりでアンディ・ガルシアが登場したりするのが嬉しい。
というか、これを観るとエミリー・モーティマーの自己評価が異様に低い(「性格の良い女優と思われてるのかもしれないけど、私はそんな“いい人”なんかじゃない」「実生活では毎日泣いてばかりなのに、演技では涙を流すことができない」等)ことと、ハリウッド・ライフに対して物凄い居心地の悪さを抱え続けていることがよく分かる。そんな彼女の志向とハリウッド・メジャーに組しない映画を撮り続けてきたアザゼル・ジェイコブスの演出がピッタリ合っているんだな。2人の友情を高らかに謳い上げるのではなく、「お互いに嫉妬したりもするけれど、それでも2人は分ちがたい存在なんだ」と、あくまでもささやかに描き切っているのが素晴らしい。エンディング・テーマがウォーの「Why Can't We Be Friends?」なのも気が利いているっすね。