映画『プロデューサー ジョージ・マーティン 〜ビートルズを完成させた男〜[劇場版]』(監督:フランシス・ハンリー)観賞。★★★★★。
ジョージ・マーティンのインタビューを見ていてとにかく感動したのは、「隙あらばギャグをねじ込もうとする姿勢」だ。この姿勢はビートルズのそれに通じるものであり、彼がプロデューサーだったからこそ、ビートルズは自らの資質を大いに伸ばすことができたのだなあ、と改めて実感させられた。言うまでもなく、こういう姿勢こそがビートルズと凡百のロック・バンドとの最大の違いだったわけで。
ビートルズのプロデューサーに就任する以前のジョージ・マーティンが多数のコメディ・レコードを手掛けていたのは広く知られている事実だが、それがビートルズのプロデュース・ワークに結びついていることをきちんと描いているのはさすがBBC制作という感じ。「Eleanor Rigby」のストリングス・アレンジの元ネタが、ヒッチコック映画におけるバーナード・ハーマンのスコア(『サイコ』のテーマ)であることが明かされたりと、彼等にとって映画が大きなインスピレーションになっていたことが分かるのも面白い。ポール・マッカートニーやリンゴ・スターの出演は当然として、モンティ・パイソンのマイケル・ペイリンがインタビュアーとして出演しているのも嬉しいっす。というわけで、グーン・ショウ*1〜ビートルズ〜モンティ・パイソン〜『マジック・クリスチャン』という英国コメディ史やビートルズ関連の映画の話もしっかり掲載されている『ビートルズの遺伝子ディスク・ガイド』と併せて観るのがお勧め。
*1:ジョージ・マーティンは彼等のレコードのプロデューサーだった。