映画『Who Is Harry Nilsson (And Why Is Everybody Talkin' About Him?) 』(監督:ジョン・シャインフェルド)観賞。★★★★★。
『ビートルズの遺伝子ディスク・ガイド』でレジーナ・スペクターとハリー・ニルソンを紹介しておきながら、レジーナがお勧めしているこのドキュメンタリー映画を観ていないのは片手落ちすぎだろ!と思ったので観賞。で、レジーナが言っているようにまさに「Heartbreaking and beautiful」な傑作だったっす。
1980年代に入ってニルソンがレコーディング・アーティストとしての活動を停止してしまうのは、親友だったジョン・レノンの死にショックを受けて銃規制運動に身を投じたから、という事実が明かされるのがとにかく染みる。彼等が意気投合したのは、2人とも「父親に捨てられた」という似た生い立ち/境遇だったことも大きかったらしい。ニルソンがRCAとの契約を切られそうになると、ジョンがレコード会社に乗り込んでいって会社の幹部を恫喝したなんて素敵な話も出てくる。
『真夜中のカーボーイ』や『ポパイ』といった彼が関わった映画の裏話だって盛りだくさん。しかもエンディン・テーマはエリック・アイドルが登場して歌う「Harry」だ!ちなみにニルソンは遺作となった『Flash Harry』の最終曲としてモンティ・パイソンの「Always Look On The Bright Side Of Life(いつも人生の明るい方を見ていよう)」をカヴァーしているんすよ。
ハリー・ニルソンのRCA時代の全音源をまとめたボックスセットは7月30日に発売予定。