Juliana Hatfield/Juliana Hatfield
★★★★
近年は1年に1枚のペースできっちりアルバムを届けてくれるジュリアナ・ハットフィールドだが、今回発表されたのはカヴァー集。かつての「見つめていたい」の名カヴァーを聴けば分かるように、この人の半泣き声があればどんな曲でも切なさはオリジナルより5割増しになるわけで、このアルバムではそれが全編で味わえるんだからマジで堪らんわ。この声で歌われるELOの「Sweet Is The Night」とかヤバいっすよ。ロビンの片腕でもあるクラース・オールンドが書いた「Selfmachine」(オリジナルはスティングの娘であるアイ・ブレイム・ココ)が物凄い名曲であることに気付かされたのも大きな収穫。ジュリアナの最高傑作である『How To Walk Away』の布陣が参加(つまりアイヴィのアンディ・チェイスが参加)しているこの2曲の完成度がやはり抜きん出ているという印象だけど、これ以外の楽曲も彼女の(ギタリスト/ロックンローラーとしてではなく)ヴォーカリストとしての魅力を存分に伝える仕上がり。フー・ファイターズの「Learn To Fly」、フーの「My Wife」(!)、レッド・ツェッペリンの「Rock And Roll」といった独特の選曲センスも楽しいっす。全12曲43分。