★★★★
ソングライティングのクオリティ、サウンドの同時代性、完成に至るまでのドラマ、どれを取っても文句なしに2010年を代表するポップ・アルバムだった『Progress』が改題&新曲8曲を加えて新装発売された。つまりはレディー・ガガの『Fame Monster』商法というわけですな。
『Progress』の制作過程を追ったドキュメンタリー『Look Back, Don't Stare』で歌われていた「Don't Say Goodbye」や「The Day The Work Is Done」が収録されていることからも分かるように、追加されたのは『Progress』セッションの没曲群(+α)なんだが、今のテイク・ザットはゲイリー/マーク/ロビー/ハワードというソングライター4人体制*1なだけに、本編には適わないにせよ、どれも高いクオリティーを誇っているのはさすが。そのコーラス・ワークの美しさも含めて、マジで彼等は全盛期のCSN&Yの領域にまで達していると思うぞ。
ロビー・ウィリアムズの純英国性を象徴するかのように、テイク・ザット史上もっとも英国トラッド色の濃い「When We Were Young」が彼のリード・ヴォーカルで収録されており、現在進行形のテイク・ザットの醍醐味がしっかりと感じられるのがとにかく嬉しい。映画『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の主題歌である「Love Love」も収録。ちなみに★★★★という評価は新曲8曲に対してのもので、『Progress』単品だったら文句なしに★★★★★なので念のため。
*1:メイン・ソングライターはゲイリー/マーク/ロビーの3人。ハワードはどちらかというとコーラス・アレンジにおける貢献が大きい。