She & Him/I Put A Spell On You / Lingering Still
★★★
2010年も終わろうかというタイミングで発売されたデジタル・シングル。いちおうメイン扱いの「I Put A Spell On You」は約2年前に発売されたスターバックス限定のコンピレーション『Sweetheart: Our Favorite Artists Sing Their Favorite Love Songs』に提供した音源で、おいらが聴いた限りでは特に追加録音なども行われていない模様なので、2年前に書いた感想をそのまま引用しておく。
おいらはシー&ヒム目当てで本作を購入したんだが、彼等はスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの「I Put A Spell On You」をカヴァー。節回しなんかはニーナ・シモンのヴァージョンを下敷きにしてますな。まあズーイーは『I Put A Spell On You』をお気に入りに挙げているぐらいだし。それにしてもズーイーが本作に寄せているコメントが最高すぎる。「どうせみんなハッピーなラヴ・ソングを演るだろうから、私達は孤独な人達に向けた歌を演ることにした」だって。もうキンクス・ファンの鏡というべき天の邪鬼っぷりである。いやあ、本当にこの人はどこまでも信用できるなあ。
ちなみに、この『Sweetheart: Our Favorite Artists Sing Their Favorite Love Songs』はズーイーの旦那のバンドであるデス・キャブ・フォー・キューティーも一緒に参加(彼等はキュアーの「Love Song」をカヴァー)していることもあって、当時かなり話題になっているのでそこんとこよろしく。
カップリングの「Lingering Still」は言うまでもなく傑作『Volume Two』のナンバー。ここに収録されているのはアコースティック・ライヴ・ヴァージョン。「I Put A Spell On You」もシー&ヒムのライヴではアンコールの定番ナンバーになっているので、もしかしたら本シングルはライヴ活動に明け暮れた2010年を総括する意味合いがあるのかもしれない。まあ、「Lingering Still」も『Volume One』のツアー時から頻繁に演奏されてきたライヴの定番ナンバーだしね。