★★★
本作にデズモンド・チャイルドがソングライターとして参加しているから、というわけではないんだが、3rdアルバム以降のウィーザーの歩みは「バンドのエアロスミス化」であったということがおいらにもようやく分かってきた。それはつまり世間一般の人々が彼等に抱いている「ウィーザー像」にできるだけ広く応えていく拡大再生産路線ということ。
そう考えれば、『Maladroit』でやたらとファンの意見を伺いながら録音を進めていったり、前作から外部のソングライターを積極的に導入し始めたことにも納得がいく(リヴァースとB.o.Bの共演曲は「Walk This Way」に相当)。もちろんこれは初期の2枚のアルバムを神聖視しているようなコアなファンからの反発を喰らう要因になっているとも思うんだが、バンドが生き残っていく道としては一つの正解なのではないかと思う。最近の彼等のライヴを見ていると、明らかに21世紀以降にウィーザーを聴き始めたと思われる若いファンがたくさんいて、最近の楽曲でもガンガン盛り上がってるしね。それにデズモンド・チャイルドとライアン・アダムスとマック・デイヴィスが一堂に会するなんてウィーザーのアルバム以外では実現することもないだろうし、完成した作品が面白くなっているかはともかくとしても、これはこれで意味のあるキャリア形成ではないかと思えるようになってきた。大人になったなあ>自分。あと、アルバムの内容に関係なく、ホルヘ・ガルシアの顔のどアップを使用したジャケットは文句無しに★★★★★だ(アルバム・タイトルの『Hurley』は『LOST』での彼の役名)。全10曲33分。
ちなみにここ5年ぐらいのおいらの気分では3rdのグリーン・アルバムが一番好きだったりする。