Calamity Magnet/Calamity Magnet
★★★
フレッド・サヴェージ・ファンクラブ〜ルーシー・ラヴズ・シュローダー〜ソロ活動を経てレンタルズに加入したサラ・レイドル。2006年にレンタルズが発表した「The Last Little Life EP」のリード・トラックである「Little Bit Of You In Everything」はサラとマット・シャープのデュエット・ナンバーとなっており、いかにマットがサラの才能を評価しているかが伺い知れたわけだが、やはりサラは自身の表現欲求を抑えきれなくなったようで、昨年7月にレンタルズからの脱退が発表されたのだった。で、彼女がこれからの音楽活動の拠点として結成した新バンドがカラミティ・マグネットであり、本作が彼女達のデビューEPとなる。
基本的な路線は2004年に発表したソロ・アルバム『You Can't Make Everybody Like You』の延長線上にあるフォーク・ロック・サウンドなんだが、結果的にフレッド・サヴェージ・ファンクラブの頃の音楽性に再び近づいているのは彼女の核がブレていない証拠。また、これまでになくビートリーな味付けが施されているのも特筆すべき点で、彼女達はライヴで「Will You Love Me Tomorrow」をカヴァーしているんだが、キャロル・キングの自演ヴァージョンではなく、あくまでもシレルズの軽快なオリジナル・ヴァージョンを下敷きにしていることもあって、シー&ヒム(ズーイー・デシャネル)との符合を強く感じてしまう。ズーイーとサラはほぼ同世代だしさ。
今年に入ってからはマフスと一緒にライヴをしたりと、ルーシー・ラヴズ・シュローダーのスピリットが失われていないところも見せてくれているので、今後発表されるであろうフル・アルバムにも期待できるはず。全6曲20分。
Calamity Magnet - Movin' On
Calamity Magnet - Will You Love Me Tomorrow
The Rentals - Little Bit Of You In Everything