レコード・コレクターズ最新号の特集が「前期ビートルズのベスト・ソング50選」だったので思わず買ってしまった。
驚いたと同時に納得したのが、「恋する2人」の人気の高さ。宇田和弘氏は「長いこと過小評価されてきた印象のある曲。しかし、心ある人は必ずいつか、この歌に帰っていきます」と書いていたけど、じゃあシー&ヒムのデビュー・アルバム『Volume One』で同曲をカヴァーしていたズーイー・デシャネルは「心ある人」ってことだな。
あと、「Ticket To Ride」では、「私は、この曲をカーペンターズのカヴァーによって知ったのだが、後にオリジナルを聴いたときには軽い衝撃を受けた。演奏があまりにもラフでルーズだったからであり、そのルーズさがとても魅力的に感じられたからである」との記述が(by 立川芳雄氏)。おいらはシー&ヒムの「I Was Made For You」について、CDの解説の中で「ビートは「Ticket To Ride」風」と書いたんだけど、要するに彼等はこうした「ラフさ」や「ルーズさ」まで受け継いでいるのだな(「Sentimental Heart」でのゴニョゴニョゴニョなことからも分かるように、ズーイーのリズム感の悪さをひとつの「個性」としてきちんと活かしているのだ)。だからこそ、シー&ヒムは本質的な意味でビートリーだと思うわけだ。
She & Him - I Was Made For You