★★★
バイクでドーン!の「Leader Of The Pack」でガールズ・ポップ好きにはお馴染みのシャングリラス(さっき初めて知ったんだけど、彼女達の日本語表記って「シャングリラズ」じゃなくて「シャングリラス」なのね。『ブルース・ブラザース』並みに気持ち悪い表記だなあ)のヴォーカリストであったメアリー・ワイスがソロ・シンガーとして奇跡の復活。
バック・バンドを務めるは、元オブリヴィアンズのグレッグ・カートライト率いるレインニング・サウンド! って、つまりはロニー・スペクターがブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンドをバックに「Say Goodbye To Hollywood」を録音したのと同じようなものか。
メアリー・ワイスの歌声は若い頃に比べると随分とドスの効いたそれになってしまっているものの、まあ許容範囲。往年のガールズ・ポップ風なオリジナル曲の数々は良く出来ているし、少なくとも昨年出たロニー・スペクターの『The Last Of The Rock Stars』よりは正しい作り…ではあるんだが、後ろ向きな企画であることに変わりはないよなあ。言い方を変えれば、シャングリラスのベスト・アルバムとスパジーズのアルバムが並列で聴ける時代の作品としての必然性が希薄なのだ。モー・タッカーの『Life in Exile After Abdication』〜『I Spent a Week There the Other Night』のような意欲的な内容を期待するのはお門違いなのだろうか。シャングリラス時代の名曲「Heaven Only Knows」のリメイクあり。全14曲40分。