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彼等のデビュー・アルバム『Treats』は1発ネタ感の強い作品だったが、2ndアルバムとなる本作でもあまり下手な小細工はせずに徹底した足し算の方程式で作られているのが潔い。ヴォーカルのアレクシス・クラウス加入前に書かれた楽曲が大半だった前作と大きく違うのは、全曲で彼女のポップ志向が強く反映されているという点で、おいらは彼等のブリルビルディング風味な部分が好きだったので、前作における「Rill Rill」のようなメロディアスな歌ものナンバーが増えていることを嬉しく思うのだった。そういえば、昨年の来日公演でも「Rill Rill」だけはアレクシス一人での演奏だったっけ。
注目すべきは、ジョニー・サンダースのそれと同名の「Born To Lose」というナンバーと、シャングリラスのそれと同名の「Leader Of The Pack」というナンバーが収録されている点だ。言うまでもなく、(ジョニー・サンダースが在籍していた)ニューヨーク・ドールズは「Looking For A Kiss」でシャングリラスの「Give Him A Great Big Kiss」を引用しているわけで、つまりこれはスレイ・ベルズが自分達をニューヨーク・パンクの末裔として位置づけているということなのである。全11曲36分。地獄への道は善意で舗装!
↑映画『ブレックファスト・クラブ』へのオマージュも決めてみせている「Comeback Kid」のPV。『ブレックファスト・クラブ』に対してオマージュを捧げているPVとしては、ヤング・ハート・アタックの「Tommy Shots」も忘れちゃいけないやね。
↑スレイ・ベルズが先日のSNLに出演した時のバンパー。イキ顔が最高だぜ!
↑ニューヨーク・ドールズといえば、シルヴェイン・シルヴェインのソロ・アルバム『Sylvain Sylvain』はジャケットからしてサイコーにRock You!なアルバムで大好きだぜ(ニューヨーク・ドールズのガールズ・ポップ趣向は彼が担っていたらしい)。キンクス「Dead End Street」のパクリ曲あり。