You Am I/Who Are They, These Rock Stars?
★★★★
今年最高のロックンロール・アルバムだった『Convicts』(オーストラリア版グラミー賞であるARIAアワードではベスト・ロック・アルバム部門にノミネート!)のリリース直前に行われたTVライブを収録したDVD。ユー・アム・アイにとっては初のライブDVDとなる。
あくまでもTV番組なので、セットリストは変則的だし、舞台セットは大学の学祭レベルだし、100人弱の招待客しかいないのでオーストラリアにおける絶大なユー・アム・アイ人気が(日本に住む人間には)いまいち伝わってこないし、これならば例えば先日行われたスパジーズとの合同ツアーの模様を収録した方がもっと面白いDVDに仕上がったはずだ、とか文句をつけようと思えばいくらでもつけられるんだが、当代一のギター・ロック・バンドのライブが約1時間に渡って堪能できるんだから、それだけで3000円以上の価値はあるってなもんだぜ。
それにしてもティム・ロジャースは一挙手一投足に至るまでイチイチ決まっていってかっちょいいなあ。男も惚れる男とはこういう人(=ピート・タウンゼントばりにウィンドミル奏法を繰り出す人)のことを言うのだろう。特に「Baby Clothes」からデヴィッド・ボウイ「Suffragette City」のカバーへと雪崩れ込むシーンは鳥肌もの。「Thank God I've Hit The Bottom」ではギターを弾かずにハンド・マイクを持って歌うんだが、その際のパフォーマンスにはテックス・パーキンス(本作にもゲスト出演)からの影響が強く表れていた。というわけで『Convicts』の副読盤としてはバチグンにお勧め。「It Ain't Funny How We Don't Talk Anymore」と「Friends Like You」のPVも収録。リージョン・フリー。
ちなみに『Convicts』は来年早々にお手頃価格の米国盤がリリースされるので、未聴の方はぜひぜひこの機会にチェックしてみるよろし。