★★★★
ユー・アム・アイのリード・ギタリストであるデイヴィ・レインのソロ・アルバム。これまでも別プロジェクトのピクチャーズでアルバムを出したりはしていたものの、今回は初のソロ名義。2008年に発表されたピクチャーズとしての前作『Kicking Indifference』がパワー・ポップ色の濃いものだったのに対して、本作は(昨年発売されたEP「Good Borne Of Bad Tymes」で予告されていたように)ユー・アム・アイの現時点における最新作『You Am I 』の延長線上にあるサイケデリック色が濃いめの仕上がり。つまり、『You Am I』においてはデイヴィ・レインの貢献が非常に大きかったということか。
デイヴィ・レインが稀代のビートルマニアであることを踏まえて言わせてもらうならば、本作はビートルズでいえば『Revolver』にあたる作品といえるだろう。ビートルズのそれとは同名異曲の「For No One」というナンバーがあることにも注目したい。全11曲43分。ユー・アム・アイのティム兄貴との共作曲もあり。ちなみに本作は2011年から制作を開始しているんだが、ユー・アム・アイの方も同年初頭には新作の準備に入っていたらしいのに(スパジーズのメンバーの証言あり)、こちらはいまだリリースされていないのが残念だなー。まあ、たしかに『You Am I 』を超えるのはなかなか難しいとは思うんだが。