映画『ハッスル&フロウ』
(監督・脚本:クレイグ・ブリュワー)
★★★★★
今年のアカデミー賞で主演男優賞にノミネートされ、オリジナル歌曲賞を受賞したヒップホップ映画。
本作はスタジオでトラックを組み立てていく面白さを表現するのに成功した初の劇映画という意味で画期的だ。アル・カポーン、スリー6マフィア、リル・ジョン等が制作したトラックの出来の良さも、映画に説得力を与えるのに一役買っている。御大アイザック・ヘイズの出演に合わせたかのように70'sソウル風に仕上げられた、ワウギターが唸りまくるスコアも最高。
また、主演のテレンス・ハワードと悪役のリュダクリスはアカデミー賞作品賞を受賞した『クラッシュ』に続いての共演であるし、『8 Mile』に続いてタリン・マニングを再びヒップホップ映画へ起用してみせるなど、いちいちツボを突いたキャスティングも素晴らしい。コメディ/学園映画好きのおいら的にはDJクオールズとアンソニー・アンダーソンの起用が嬉しかったな。特にDJクオールズの「ヒップホップ好きの白人トラックメイカー」という役どころは、明らかに『ニュー・ガイ』を踏まえた上でのキャスティングだから尚更。
00年代の音楽映画として『プッシーキャッツ』、『みんなのうた』、『スクール・オブ・ロック』などと並び賞されるべき傑作。allcinema ONLINEを見てみると、どうやら日本でも今年中には公開するらしいね。必見。