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ガイデッド・バイ・ヴォイシズのラスト・アルバム『Half Smiles Of The Decomposed』とほぼ同時期に発表されたロバート・ポラードの7thソロ・アルバム。全14曲31分。
おいらは『Half Smiles Of The Decomposed』には「停滞」を感じたと以前にも書いたが、本作では(ソロ・アルバムという事で)他のメンバーに気兼ねする事なく好き勝手やっているだけあり、さすがにそうした弱点は感じなかった。「Paradise Style」から「Conspiracy Of Owls」への完璧な流れ(しめて3分半!)は近年のGBVで作り上げることは不可能だったはずだ。
まあ、相変わらずワン・アイデアで突っ走る単純な曲が多いんだが、ロバート・ポラードの「意識の流れ」がヴィヴィッドに伝わってくるので、それを追っているだけで十分面白い。それはつまり、リスナーが「聴き飛ばしている」スピードとほぼ同じかそれ以上の速さで楽曲が「書き飛ばされている」という事でもある。これならば今後のソロ活動にも期待できるはず。
あと、ロバート・ポラードとしてはロスト・レノン・テープスを目指しているんだろうが、作り手の頭の中で鳴っているバンド・サウンドが一聴瞭然という意味で、結果的には『マッカートニー』シリーズのようになっているのが興味深い。そこらへんはほとんどの楽器を演奏しているトッド・トビアスの資質が反映されているという事なのだろう。