★★★
ジャック・ブラックの出演作を追っていたら面白いコメディを見つけたので紹介。ある男女4人のディナーの席での人間模様を描いた会話劇。監督のボブ・オデンカークは以前にテネイシャスD*1のテレビ番組の脚本を書いていたらしく、その縁でジャック・ブラックがカメオ出演しているようだ。っていうかなんであんなに手が汚いんだ?>ジャック・ブラック。
本作の音楽をマイケル・ペンが担当しているという事で、おいらが思い出したのは『アニバーサリーの夜に』だった。同じデジタルビデオ撮りだし、エンディング・テーマは『アニバーサリーの夜に』の使いまわしだしな。ただ、そういう視点から観ると、やはり『アニバーサリーの夜に』がいかにカッチリと組み立てられた作品であったかという事を思い知らされるのであった。
『アニバーサリーの夜に』はビデオ撮りなりに綺麗に撮影しようという意志が感じられたし(撮影はジョン・ベイリー)、ストーリーにもある程度意識的に起承転結が付けられていたのだが、こちらのストーリーはあってないようなものだし、撮影もお世辞にも誉められた出来ではない。
まあ、でも会話劇の面白さとしては『アニバーサリーの夜に』に勝っている。会話の内容自体は本当にしょーもないものなんだが、テンポの良さで魅せる魅せる。要するにMichael Bliedenの書いた脚本(元々は舞台劇)が良かったって事なんだろうな。ただ、この映画の面白さって時制が行ったり来たりする点に拠る所も大きいわけで、舞台ではどのように演出してたんだろうねえ?
また、最後の最後、見た目には何も変わっていないようで全てが変わってしまっているという点において、これもある意味では『マグノリア』の変奏曲である、という事も記しておく。ポール・トーマス・アンダーソン組のメルロ・ウォルターズもカメオ出演。83分。