ゼイ・ヘイト・チェンジの待望のアルバム『Finally, New』で「X-Ray Spex」という曲があるので気になっていたら、同じアルバム内の「Some Days I Hate My Voice」で「Gucci X-Ray Spex, bitch I'm Poly Styrene」とエックス・レイ・スペックスとポリー・スタイリンの名前を出してるから、やっぱり彼女達へのオマージュだったんだな。アミル&ザ・スニッファーズとリンダ・リンダズもエックス・レイ・スペックスが好きって言ってたし、やっぱり今こそエックス・レイ・スペックスよ(「ローリングストーン誌が選ぶ歴代最高のアルバム500選 2020年改訂版」でいきなり高評価された時は驚いた)。ちょうどエックス・レイ・スペックスの唯一のアルバム『Germ Free Adolescents』のストリーミング配信が復活したところなので嬉しい。
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マフスの『Really Really Happy』のデラックス・エディションで完全未発表曲の「My Imagination」をついに聴けたのが嬉しい! 10年以上前から著作権登録されているのを確認していただけに、感激もひとしお。キムが声優として参加していたアニメーション『The Fringer』で使われていた「I Hate Gym」もやっとフルで聴けた。どちらもマフスらしいポップなギター・ロック・ナンバーで最高。今回のデラックス・エディションは、この2曲が個人的には最大の収穫ですね。キムのデモもさすがの完成度。CDは後日到着するのでライナーノーツを読むのを心待ちにしております!
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ティル・チューズデイはどうしてもデビュー・ヒットの「Voices Carry」ばかりが注目されてしまうけど、アルバム単位で見るとエイミー・マンのシンガー・ソングライター色が強まったラスト・アルバムの『Everything's Different Now』がダントツで良い。エルヴィス・コステロと共作した名曲「The Other End (Of The Telescope)」はもちろんのこと、バンドの終焉を予感させる最終曲「How Can You Give Up?」のほとんど空元気ともいえるかのようなポップさが最高。今から振り返ると、エイミー・マンのソロ・デビュー作『Whatever』が名盤になるのは既にこの時点で約束されていたように思える(ただし、レーベルとの契約問題により、リリースはここからさらに5年を要することになるのだが)。
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シャトー・シャトーがキル・ロック・スターズと新たに契約を交わしてリリースした『Grow Up』は、ジャケットで示されている通りにブルーをフロント・パーソンとして前面に押し出してポップ度を増してきたグラム・シンセポップ・アルバム! ティル・チューズデイ(エイミー・マン)の名曲「Voices Carry」のカヴァーもハマっているし、ところどころ安普請なサウンドもチャーミング。
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傑作映画『スージーQ』の日本公開に合わせたかのようにスージー・クアトロの素晴らしいボックスセット『THE ROCK BOX 1973-1979 (THE COMPLETE RECORDINGS)』がリリースされた。タイトルからも分かるように、1973年から1979年にかけてのオリジナル・アルバム全6枚+ライヴ・アルバム1枚を紙ジャケット仕様にて収録(ボーナス・トラックもたっぷり追加)。特筆すべきはDVDで、PVと『トップ・オブ・ザ・ポップス』出演時の映像に加えて、以前に日本のみでVHSが限定リリースされていた1975年の来日公演の模様(『スージー・クアトロ イン・ジャパン1975』)が完全収録されている。DVDで観て初めて気付いたんだが、来日公演の楽屋でスージーはアリス・クーパーの「School's Out」を聴いていたんすね。『スージーQ』の中で語られていた彼等の友情を裏付けるかのような素敵な記録映像(ちなみにアリス・クーパーは後にスージーの「Your Mama Won't Like Me」をカヴァーしている)。このDVDだけで3000〜4000円程度の価値はある。というわけで、間違いなく「買い!」な内容です。