『Blinded By The Light』での主人公のガールフレンド(ネル・ウィリアムズ)、めちゃくちゃチャーミングで最高だったすね。『イエスタデイ』でのリリー・ジェイムズはただの木偶の坊にしか思えなかったけど(リリー・ジェイムズは『ガーンジー島の読書会の秘密』の時の方が500倍は良い)、『Blinded By The Light』でのネル・ウィリアムズは親の政治信条に反発していたり社会運動に積極的(レッド・ウェッジを支援!)だったりと、そういう細かい描写の積み重ねがしっかりしていて彼女のキャラクターが独立した人格として魅力的なものになっていたと思う。
あと、『Blinded By The Light』を観て、ニック・ホーンビィの『ソングブック』(大好き)の「サンダー・ロード」の章を思い出したりもした。
ときに、ほんのごくたまにではあっても、歌や書物、映画や絵画は、人間というものを完璧に表現してしまう。(中略)それは、恋に落ちるときに似たプロセスだった。かならずしも最高の相手や、いちばん頭のいい相手や、いちばんきれいな相手を選んだわけじゃないかもしれない。でもそこには、別の何かがある。(中略)どちらにせよ<サンダー・ロード>という歌は、ぼくの気持ちを理解しているし、ぼくがどんな人間であるかを知っている。とどのつまりそれは、アートというものが持つなぐさめのひとつだ。