マイク・バービグリアはスタンダップ・コメディアンという出自のせいもあってどうしてもウディ・アレンと比較されがちだけど(それはそれで納得がいくとはいえ)、もっと本質的な部分で近いのはジェームズ・L・ブルックスだろうなという気はする。「アメリカ映画が描く『真摯な痛み』Vol.2」で上映される『ドント・シンク・トワイス』はマイク・バービグリア本人も公言している通り、『ブロードキャスト・ニュース』を下敷きにしたものだし。『ドント・シンク・トワイス』の悲しみと救済が同居していて胸がいっぱいになる感じは完全に『ブロードキャスト・ニュース』の延長線上だと思います。
だから『ジョージア』もそうなんだけど、悲しみと救済が同居している映画がおいらは好きなんすよ。オールタイム・ベストの1本である『素晴らしき休日』のキャサリン・ヘップバーンだって家族と縁を切って旅立つところで終わるわけだし。生きていれば良いことだってあるし悲しいことだってあるし、その狭間で何とかやっていかなきゃいけないわけで、それが本質だと思うからこそ、おいらはそういう話にどうしようもなく惹かれてしまうんです。
