映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』(監督:タイカ・ワイティティ)観賞。★★★★★。
6年前のオフ会でタイカ・ワイティティの長編映画デビュー作『Eagle vs Shark』を特集したぐらいには彼のことが好きなので初日に観に行ってきた。とにかく本作でレッド・ツェッペリンの「移民の歌」が大フィーチャーされていることは、タイカ・ワイティティの映画を追い続けてきた者にとっては感慨深いものがある。『Eagle vs Shark』ではストーン・ローゼズの「This Is the One」が大フィーチャーされていて、ストーン・ローゼズは『Second Coming』で偽レッド・ツェッペリンと化して解散してしまったわけだが、タイカ・ワイティティの方は本物のレッド・ツェッペリンに辿りついたぞ、と。
さて、『スパイダーマン:ホームカミング』ですら「アベンジャーズ」との繋がりによる制約を感じる場面が多々あったのだが、『マイティ・ソー』シリーズは基本的に別世界の神様達の兄弟(&姉)喧嘩なので、本作でそういう不自然さを感じることはなかった。しかもタイカ・ワイティティのすっとぼけたコメディ演出によって、主人公達が「人間を超越した存在」であることが一層強調されており、それが作品の楽しさへとうまく結びついている。アメコミ映画とコメディ作家のもっとも幸福な出会いの一つといえるのではないだろうか。マーク・マザーズボーが「ディーヴォの人」であることを改めて思い出させるテクノ・ポップ全開なスコアも最高だ! 傑作。