Kero Kero Bonito/Bonito Generation
★★★★★
新曲は断続的に発表されていたものの、『Intro Bonito』からは3年振りとなるケロケロボニトの新作アルバム。
昨年の来日公演でhy4_4yh(ハイパーヨーヨ)と共演したりしたことが影響しているのだろうか、前作との最大の違いはセーラさんが日本語詞のライミングに意識的に取り組むようになった点だ。来日公演でも披露されていた「Trampoline」や「Picture This」といったナンバーよりも、本作が初出となる「Waking Up」や「Try Me」といったナンバーの方がライミングがしっかりしているのは、セーラさんがリリシストとして現在進行形で進化している証左といえる(ついでに英語のライミングもさらに巧みになっている)。そして、ライミングがしっかりしていると、歌の「音」としての快感度が上がるのだから、最終的にはセーラさんのシンガーとして表現力アップへと繋がっているのだった。
ガスが優れたメロディ・メイカーであることは、セーラさん加入前後の過渡期に作られた彼のソロ・ナンバー「Wherever You Go」などですでに明らかだったわけで、つまり本作の素晴らしさの最大の貢献要素はセーラさんのシンガーとしての成長に尽きるといえよう。サウンドの洗練は、それに伴う副次的なものだ。セーラさんのご両親も登場するブックレットや「Trampoline」のPVも素敵。一層ポップになったインターナショナル楽しいサウンドの決定版! 全12曲36分。
↑本作には未収録だが、セーラさんのリリシストとしての才能を示す一例として「Flamingo」を挙げておきたい。タラコが好きという話と同じ感覚で多様性の肯定を語る素晴らしさ。「黒でも白でも緑でも青でも/生まれつきの色を見せびらかしちゃえ/フラミンゴ/マルチカラーだったらクールじゃん/無理に変える必要なんてないよ/みんな同じじゃつまんない/フラミンゴ/どんな色でも君は素敵だよ」というサビの歌詞が最高っすね。