★★★★
ヘレン・ラヴの著作権解放戦線復帰作。前作『Day-Glo Dreams』はお得意の無許諾サンプリングの大ネタ使いを封印してソングライティングに焦点をあてた内容だったのに対して、本作では再びサンプリングを全面解禁して、かつての『Radio Hits』シリーズに回帰したかのようなガチャガチャとしたパンク・ポップを聞かせる。とはいえ、まさにパンク回帰を象徴するかのようなエックス・レイ・スペックスの故ポリー・スタイリンへ向けたトリビュート・ソング「Thank You Polystyrene」において、エックス・レイ・スペックスの「The Day The World Turned Day-Glo」に言及することによって、『Day-Glo Dreams』からの繋がりもリスナーにしっかり意識させるという高度な文化的リファレンスも。もしかしたら、お蔵入りになってしまった(パンク色が濃いと言われていた)『Stick It』に収録予定だった楽曲も幾つか使われているのかもしれないな。
アルバムのオープニング曲「First Girl From Wales In New York」では、ラモーンズに憧れ続けてきたウェールズの少女が初めてアメリカに渡る姿が瑞々しく描かれていて、映画『ブルックリン』にも通じる感動が(というのはさすがに言い過ぎか)。全12曲38分。
↑リメイク版『ゴーストバスターズ』に先駆けてのガールズ・ゴーストバスターズ! ボニー・テイラー「Holding Out For A Hero」からの無断サンプリングもイカすぜ。スクルーウォーズだ!