2025年1月19日(日)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.30」を開催します。今回はゲイ映画2本立てということで、リチャード・レスターのコメディ職人としての手腕が存分に発揮されたシチュエーション・コメディの傑作『ザ・リッツ』と、「サム・フリークス Vol.13」の上映作である『スマイリー・フェイス』に続くグレッグ・アラキの傑作『カブーン!』を上映いたします。前売チケットはPeatixで販売中です


2025年3月8日(土)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス S」を開催します。今回は岡俊彦(故人)からのリクエストにより、以前にサム・フリークスで日本初上映を果たしたグレッグ・アラキの『スマイリー・フェイス』とマイク・バービグリアの『スリープウォーク・ウィズ・ミー』を再映いたします。 前売チケットはPeatixで販売中です


2025年4月19日(土)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス」を開催します。今回はケン・ローチの最高傑作『石炭の値打ち』を再映いたします。前売チケットはPeatixで販売中です

過去に開催したサム・フリークスの一覧はこちらです


マフスのキム・シャタックの追悼記事をローリングストーン ジャパンに執筆しましたマフスのキャリアを一望できるプレイリストも作りってみました。

ローリングストーン ジャパンでリンダ・リンダズにインタビューしました。アルバム『Growing Up』発表時SUMMER SONIC 2022での来日時2024年の来日時です。

2023年5月にシグリッドが初来日公演を果たした際に、ローリングストーン ジャパンでインタビューしました


メアリー・ルー・ロードの「Lights Are Changing」のオリジナルなどで知られるべヴィス・フロンドのポップな楽曲のみを集めたベスト・アルバム的プレイリスト『Pop Essentials of The Bevis Frond』を作成しました。

サム・フリークスの場内BGMのプレイリストを作成しました。毎回上映作品と絡めた選曲をしています(最新のものに随時更新していきます)。


「ダム・インク(Dumb Inc.)」名義での活動も。
バンドキャンプで「隣り合わせ」や「」といった曲などが試聴&フリーダウンロードできます。SoundCloudもあります。


★★★★★=すばらしい ★★★★=とてもおもしろい ★★★=おもしろい ★★=つまらない ★=どうしようもない

pikao2016-06-02


20世紀のグレッグ・アラキ映画は『トータリー・ファックト・アップ』『ドゥーム・ジェネレーション』『ノーウェア』の「Teen Apocalypse Trilogy」に代表されるように、全体に終末感が濃厚に漂っているのが大きな特徴だ。これはエイズの蔓延が強く影響しているのは明らかで、HIVに感染した男達の逃避行を描いた『リビング・エンド』では、ラストに「共和党のクソ野郎どものせいで死ぬことになるであろう数十万の人々にこの映画を捧げる」というド直球なメッセージが提示される(キリスト教保守派を支持基盤とする共和党は、エイズを「神に背いたゲイへの天罰である」という勝手な偏見で捉えており、具体的な対策をほとんど講じなかった)。


その後、HIVに対する様々な抗ウイルス薬が開発されたこともあって、現在ではHIVに感染しても平均寿命を全うすることがほぼ可能となった。21世紀に入ってからのグレッグ・アラキ映画に「それでも人生は続いていく」という色合いが強く出てくるようになったのは、おそらくそれ故だろう。2007年の『Smiley Face』(私見ではグレッグ・アラキの最高傑作)は徹底的にアホなマリファナ・コメディでありながらも、ラストでは「高速道路でゴミ拾いをするような人生になっても、私は生きていける」というタフネスすら感じさせる(これはアンナ・ファリスの名演によるところも大きいのだが)。2010年の『カブーン!』は「Teen Apocalypse Trilogy」のセルフ・パロディのような作品だが、それらと比べるともっとあっけらかんとしていて、むしろ「世界の終わり」さえも茶化してみせる自由さこそが物語を軽やかにドライブさせているのだった。



https://www.youtube.com/watch?v=Xu9NkMCElMk