映画『「僕の戦争」を探して』(監督:ダビ・トルエバ)は、1966年秋にアルメリアで『ジョン・レノンの僕の戦争』を撮影していたジョン・レノンに会いに行ったスペイン人英語教師の「実話」を基にしたロード・ムービー。ロバート・ゼメキスの『抱きしめたい』と同様に、「ビートルズのファンを描くだけでビートルズ映画は成立する」ことを実感させてくれる全くもって正統なビートルズ映画で、フランコ政権下で自由を求めていた人々の姿と、自由を求めてライヴ活動を停止したビートルズの姿が自然と二重写しになる。『Living Is Easy With Eyes Closed』という英題は、この時期に書かれた名曲「Strawberry Fields Forever」の歌詞の一節から。詳しくは『The Beatles' Anthology 2』を参照のこと。ひょんなことから旅を共にすることになった主人公達は、(ビートルズがそうであったように)最後はそれぞれ別の道を歩みだすことになるわけだが、彼等の未来は決して暗くはないことが示唆される。「It's getting hard to be someone but it all works out(一人前の人間になるのは難しいけど、でもきっと上手くいくさ)」(from 「Strawberry Fields Forever」)。
↑実際にジョン・レノンが歌詞の「添削」を行ったノート。これは「I'm Only Sleeping」の歌詞ですな。