映画『しあわせはどこにある』(監督:ピーター・チェルソム)観賞。★★★★。
・サイモン・ペッグ版『食べて、祈って、恋をして』。『食べて、祈って、恋をして』はつまらなかったけど、こちらはとても面白かった。だから「自分探し」や「幸せ探し」がダメなんじゃなくて、問題はその描き方、探求の仕方なんだと思う。自分を見つけて幸せになろうとするのは、全然悪いことなんかじゃない。アニメーションや敢えてのチープな特撮を交えたピーター・チェルソム(『ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー』)の軽妙な演出が快い。そして、長回しによるサイモン・ペッグの疾走シーンの素晴らしさ!
・サイモン・ペッグは幸せを探求するために中国〜チベット〜アフリカ〜アメリカと旅をして、かなり厳しい現実にも遭遇することになるわけだけど、とりあえず『世界がもし100人の村だったら』のような「世界にはもっと不幸な人がいるんだから、あなたは(相対的には)幸せなんですよ」といったアホみたいな話にはなっていないので安心してください。
・この映画でも「子供の頃は不安もなくて幸せだった」みたいなことを言ってたけど、おいらはそれは美化されたノスタルジーだと思うし、もし本当にそうだったとしたならば、子供の頃はバカで不安ってものが分からなかっただけじゃないか? おいらは子供の頃も今と同じように不安でいっぱいだったけどなあ。
・サイモン・ペッグは恋人に家事を任せっきりなのが、いかにもな「無自覚に保守的な英国男」そのもので嫌な感じ、と思ったら最後にはそこもいちおう変化するのね。でも(あんまり上手くないであろう)料理とかする前に、まずは皿洗いとか洗濯とかをやれよ!と思ったけど。