映画『チャッピー』の日本公開が迫ってきてダイ・アントワードを紹介する記事がチラホラと見られるようになってきたけど、(サマーソニックでの最初の来日からもう5年も経っているというのに)彼等に対する理解があまりにも浅くて物凄く歯がゆい思いだ。
たとえば「Fatty Boom Boom」のPVでレディー・ガガを皮肉ったことは書かれていても、彼等が何故そんな代物を作ったのかについては書かれていない。もちろんニンジャとヨーランディは対外的には「レディー・ガガはクールじゃないから」というコメントしか発表していないわけだが、どうして「クールじゃない」と思ったのか? それは(以前にも書いたように)ニンジャとヨーランディが菜食主義者だからだ。だから生肉のドレスを着ていた(=動物に対する無駄な殺生を行った)ガガは自業自得で動物に食われて死ぬのである(ちなみに『Meat Is Murder』な動物愛護主義者であるモリッシーもこのドレスについては批判している)。
フィクションの中でレディー・ガガを殺したダイ・アントワードと、現実世界でその場限りのパフォーマンスのために動物に対する無駄な殺生を行ったレディー・ガガ、「超危険」なのはどちらかって話ですよ。書き手が自らの底の浅さを晒しているだけ(なんだけど本人は気付いていない)安易なセンセーショナリズム。
↑ちなみにニンジャの方は20年前にマーク・ダカスコス主演の『キックボクサー5』に出演しているから(端役だけどちゃんと台詞も格闘シーンもある)、ハリウッド映画は『チャッピー』が初めてではないんだよね。