A-kidさんがグレッグ・アラキの『カブーン!』を褒めていて嬉しいなー。グレッグ・アラキの映画って日本だと劇場公開されたのは90年代の作品ばかりで、以降はレズビアン&ゲイ映画祭などでたまに上映されるぐらいになっちゃったけど、実は21世紀に入っても作品のパワーは全然落ちていないんすよね(というか個人的には最近の作品の方が好き)。件の『カブーン!』は(オフ会で特集もした)前作『Smiley Face』からの流れを汲むストーナー・コメディかと思わせておいて、どんどん怖い方向に話が転がっていく快作。冒頭でブニュエルの『アンダルシアの犬』を引用しているのも作品の立ち位置の表明として凄く気が利いていると思う。
あと、この文章を書いていてジュノー・テンプルってLGBT映画への出演が多いことに気が付いて(『カブーン!』『Jack And Diane』『禁じられた10代』)、彼女のことがさらに好きになったっす。
グレッグ・アラキは自身もゲイで、基本ゲイ・フィルムを撮り続けている人なんですが、その描き方が自然でいいなあと思いました。ライアン・マーフィーの『Glee』とかでちょっと感じる押し付けがましさが無い。おそらくライアン・マーフィーって差別の問題提起などを考えていると思うしそれはいいとは思うんですけど、ちょっと古いかなあと。
グレッグ・アラキの作品は全然ジェンダーにとらわれてない。実際この映画のスミスは女性とも男性とも関係を持ったりする。それって自由な感性でいいなと。やっぱり映画はそのくらいぶっ飛んでた方が面白いです。