Jarinus/Jarinus Rhymes With Vaginus
★★★
大の大人が真面目に悪ふざけ!ボーリング・フォー・スープのジャレッド・リディックと、ライナス・オブ・ハリウッドのユニットであるジャリナスがついにアルバム・デビュー!MCラーズやレフトオーヴァーズの傑作をリリースした重要レーベルとして一部で有名なクラッピー・レコーズの創設者であるこの2人、すでにボウリング・フォー・スープの『Fishin' For Woos』などでプロデューサー・チームとしての活動は積んでいたんだが、まさかこうやって単独作をリリースする日が来ようとは。よっぽどウマが合うんでしょうなあ。9月に発表予定のボーリング・フォー・スープの新作も彼等がプロデュースしているらしいし。
本作はジャケットからも分かるように、2人の80年代メタル趣味が前面に出た作品となっている。ボーリング・フォー・スープは80年代の音楽にたっぷりとオマージュを捧げた『1985』(SR-71のカヴァー)をヒットさせているし、ライナス・オブ・ハリウッドも元々はメタル・キッズだった(と小熊俊哉さんが『ビートルズの遺伝子ディスク・ガイド』に書いていました)だけに、彼等が悪ノリすればこういう内容になるのは当然かつ必然。ライナス・オブ・ハリウッドのビートリーなメロディ・センスのおかげで、結果的にはワイルドハーツに近い音楽性になっているのが面白い。2人が延々とモリッシーの物真似をし続けるだけの「The Morrissey Song」なんかもアホすぎて楽しいっすよ。全13曲35分。