映画『来る日も来る日も』(監督:パオロ・ヴィルズィ)観賞。★★★★。
おいらの大大大好きな映画『見わたすかぎり人生』の監督であるパオロ・ヴィルズィの最新作(彼の作品で世界的に最も有名なのは、ブレイク前のレイチェル・マクアダムスがヌードを披露していた『My Name Is Tanino』ってことになるのかな)。この人はキャリアの初期から一貫して「どこにも馴染めないはみ出し者」を描き続けていて、そこがおいらは大好きだったわけだけど、前作『はじめての大切なもの』では(いかにもイタリア映画的な)「家族(血縁)」を帰結点として描いていたのでどうにも居心地が悪かった。ところがところが、本作はそんな「家族」に馴染めずに再び「個」へと戻っていくはみ出し者同士のラブストーリー。つまりパオロ・ヴィルズィの本領が再び発揮されまくり!「エイミー・ワインハウス」「キャット・パワー」「PJハーヴェイ」といった単語が会話の中にバンバン登場するのも、英米のポップ・ミュージックが大好きなパオロ・ヴィルズィならでは*1。これも『はじめての大切なもの』に欠けていた重要な要素なので嬉しいっすね。
ちなみに、パオロ・ヴィルズィ組の座付きの脚本家であるフランチェスコ・ブルーニの監督作『ブルーノのしあわせガイド』は、『はじめての大切なもの』の延長線上にある「家族(血縁)」を帰結点とする映画だったので、『はじめての大切なもの』はフランチェスコ・ブルーニのカラ―が強く出た作品だったということか。