Various Artists/A Concert For Kirsty MacColl
★★★★
2010年10月10日に行われた故カースティ・マッコールのトリビュート・コンサートをまとめたライヴ・アルバム。今をときめくエリー・ゴールディング、若き中島みゆきことエイミー・マクドナルド、アリソン・モイエ、エディ・リーダーなどの錚々たるアーティストが集まった全12曲51分の内容だが、YouTubeを見てみるとキム・ワイルドが歌う「They Don't Know」といった動画などもあるので、収録漏れになったアーティスト/楽曲もかなりの分量があると思われる。とはいえ、繰り返し聴きたくさせるという意味ではこれぐらいの尺の方がちょうどいいかもしれない。本作でおいらが最もグッときたのは、「A New England」でビリー・ブラッグがカースティのために書き下ろした第3ヴァースを歌うところだな。
で、こうやって様々なアーティストが歌うカースティの楽曲を聴いて改めて実感させられるのが、彼女のソングライターとしての素晴らしさだ。おいらは『ビートルズの遺伝子ディスク・ガイド』で彼女について「“80年代のキャロル・キング”というべき才能」と評したんだけど、ブリル・ビルディング的な作風のデビュー・アルバム『Desperate Character』(大傑作!)から、徐々にパーソナルな楽曲を書くようになっていくギター・ポップ色の濃い中期3部作(ジョニー・マーの好サポートや、キンクスの名カヴァー「Days」も印象深い)、そして最終的にはラテン音楽の楽しさで突き抜けた遺作『Tropical Brainstorm』まで、どのアルバム/楽曲もハズレなしなんでこの機会にぜひぜひ聴いてみるよろし。