2010年〜11年頃に起こったEPリバイバルの波が過ぎ去って、今年は30分台のフル・アルバムが目立つという印象だな。個人的に特に気に入った中では、
ダイ・アントワード 『Ten$Ion』(38分)
レジーナ・スペクター 『What We Saw From The Cheap Seats』(37分)
スレイ・ベルズ 『Reign Of Terror』(36分)
サラ・レイドル 『Same Sun Shines』(35分)
マヤ・ヴィク 『Chateau Faux-Coupe』(39分)
レッド・クロス 『Researching The Blues』(32分)
スザンナ・ホフス 『Someday』(30分)
ゲイリー・バーロウ 『Sing』
エヴァークリア 『Invisible Stars』 (38分)
フロー・ライダー 『俺たちワイルド・ワンズ』 (34分)
といったアルバムが30分台だった。注目すべきはダイ・アントワードやフロー・ライダーといったヒップホップ畑の人も30分台のアルバムを出しているという点。もちろん、こんな少なすぎるサンプル数だけで「現在の音楽シーンの流れとして〜」みたいに語ることはできないんだが、最近はオリジナル・アルバムが30分台ばっかりなアバの作品をよく聴いていることもあって、「ポップ・ミュージックにおける正しいアルバムの尺は30分台」というのが今のおいらの気分。いずれにしても、ネット配信やYouTubeが音楽を聴く手段として完全に定着、つまり楽曲単位でのバラ売り/バラ聴きが増えたことによって、シングル文化が中心だった50〜60年代のような形に回帰しているのは個人的には全然歓迎っす。
↑それにしてもフロー・ライダーが「Low」でブレイクした時に、ここまで生き残るとは誰が想像しただろうか。単なる一発屋で終わるか、もしくは「Low」を足掛かりとして地道にプロップスを獲得していくのかと思ったら、ひたすら一発ネタを繰り出しまくって未だにヒットチャートの常連という。ある意味で物凄く一貫しているともいえる。シーアをフィーチャーしていることからも分かるように、確実に確信犯だし*1。