映画『ホテル・バディーズ ワンちゃん救出大作戦』(監督:トール・フロイデンタール)観賞。★★★★★。
『イッツ・カインド・オブ・ア・ファニー・ストーリー』のリリースを記念して、エマ・ロバーツ出演作の落ち穂拾い第2弾。
近年のエマ・ロバーツが凄いのは、本作のように「どうせ動物の愛らしさに頼り切った子供騙しの映画なんじゃないの?」と一見すると半信半疑にならざるを得ない作品が、どれもちゃっかりきっちり面白いというところだ*1。この引きの強さたるや並大抵のものではない。たとえばエマ・ストーンなんかは「これでつまらなかったらそっちの方が問題でしょ」という鉄板の作品ばかりなので(個々の作品は面白くても)出演作を追う喜びはあまり感じられないんだが、エマ・ロバーツはその真逆なんだな。本作はOK GOの「White Knuckles」と「This Too Shall Pass」を足しっぱなしにしたような傑作。両親を亡くして居場所が見つけられない子供達と、野良犬を重ねて描いているのが上手い。(こういうファミリー向け映画では野放しにされがちな)役者のオーバーアクティングを極力抑えた演出も的確。トール・フロイデンタールの本領が発揮されているのは『グレッグのダメ日記』ではなくてどう考えてもこっちの方でしょ(というか本作がヒットしたから『グレッグのダメ日記』の監督に起用されたわけだが)。