90年代後半に勃発したゲイリー・バーロウとロビー・ウィリアムズの元テイク・ザット対決、ゲイリーはわざわざマドンナに曲を提供してもらったりとアメリカ進出に色目を使いまくりの活動だったのに対して、ロビーはビートリーな純英国的ロック・アルバムを出してきたわけで、後から考えてみるとロビーの勝利は順当な結果だったと思える。なぜなら英国人はアメリカの方ばかり見ている英国ミュージシャンに冷たいから。ジョン・レノンが現役ソロ時代にポール・マッカートニーほどの成功を収められたなかったのはその為で、ポールは「夢の旅人」は言うまでもなく、歌詞に英国ご当地ネタ満載の「愛しのヘレン」だったりと、要所要所で英国人が喜ぶ作品を出してくるんだよね。アメリカ・ツアーを念頭に置いて作られたニューオリンズ録音の『Venus And Mars』ですら、最終曲は英国の超長寿ドラマ『Crossroads』のテーマ・ソングのカヴァーなんだから、彼が英国民に愛されてきたのは当然といえるのだった。
再結成後のテイク・ザットがジョン・シャンクスをプロデューサーに迎えたりしつつも英国色の濃い作品を作り続けているのは、おそらくこの時のゲイリーの反省が踏まえられているのだろう。そんな彼等が英国の国民的シンガーとなったロビーと再び邂逅を果たしたのは、だから必然だったのかもしれない。(ゲイリーに対するアンチテーゼとして生まれた)その純英国性こそがロビーの魅力なのだから、そういう意味では他の国の人間には理解しづらいものなのかもしれないな(ただし、その音楽自体は理屈抜きに楽しめる素晴らしい作品ばかりなので念のため)。
↑もちろん歌詞はフーの「My Generation」に対する返答で、PVでは無法の世界ジャンプ!
↑ワールド・パーティのカヴァー!