ロビー・ウィリアムズの次のソロ・アルバムはゲイリー・バーロウがプロデュース。
ロビーのテイク・ザットへの復帰は、再結成後のテイク・ザット人気にあやかろうとしたかなり打算的なものではないかと当初は思っていたんだが、いやはや、こんなニュースまで届いてしまうとは、彼等の友情は間違いなく本物だ。実際に最近のライヴ動画などを見ていても、ロビーはテイク・ザットのメンバーであることを心底楽しんでいるように見えるんだよな。
テイク・ザットを追った2本のドキュメンタリー、テイク・ザット再結成前/ロビーとゲイリーの和解前の『For The Record』と、ロビーとゲイリーの和解後の『Look Back, Don't Stare』を観て本当に驚かされるのが、90年代のテイク・ザットの5人って(オーディションによって「作られた」グループであったにも関わらず)本当に仲が良かったってことなんだよね。逆に言えば、そこをクビになったロビーが以降のソロ活動において、グループのリーダーだったゲイリーに対して憎しみをぶつけていたのもよく分かるっつう話で。だからこそ、5人がかつての友情を取り戻して生まれた『Progres』があれほどまでに感動的なのだ。『Progress』のラストを飾る「Eight Letters」(ロビーが作詞を担当)ではウルトラヴォックス「Vienna」のメロディに乗せてこんなことが歌われる。「僕が君達の元から去った時に言えなかったこと/それはたった一言/僕は君達を本当に愛してたってこと」。
↑ソングライティングのクオリティ、サウンドの同時代性、アルバムにこめられた物語、どれをとっても『Progress』は2010年を代表する傑作だと思う。ゲイリー・バーロウというエルトン・ジョンの直系の(英国ポップの正統な継承者である)名シンガー・ソングライターがグループの中心にいたからこそ、彼に触発されて他の4人もミュージシャン/ソングライターとしての自覚が芽生えて成長していったのだし、それが結果的にはロビー・ウィリアムズという国民的なシンガー・ソングライターを生んだわけで、そういう意味でもテイク・ザットって実はすごく特異なグループだと思う。