テイク・ザットのロビー・ウィリアムズ復帰ツアーが先週末から始まったこともあって、YouTubeにライヴ動画が大量にアップされてきている。特に上にも動画を載せた「Mr. Blue Sky」(E.L.O.)〜「Shine」〜「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」(ビートルズ)〜ロビー登場〜「Let Me Entertain You」の流れは超圧巻で、観客もとんでもなく盛り上がりまくり。そして、この流れの中にE.L.O.とビートルズの代表曲を挟み込んで、スタジアムを埋め尽くした大観衆を完全に納得させてしまっているところが、テイク・ザットが英国ポップ・ミュージック史のこれまでの流れを集約したグループであることの証左なのだ。
彼等の『Progress』は昨年の英国で最も売れたアルバムになったわけだけど、それは内容が素晴らしかったのはもちろんのこと、彼等の20年の歴史(デビュー〜アイドル・グループとしての巨大な成功〜ロビー脱退〜解散〜ロビーとゲイリー・バーロウのソロ対決〜ロビーがソロとして国民的シンガーに&ゲイリーの没落〜ロビー抜きでテイク・ザット再結成〜テイク・ザットが90年代を遥かに超える国民的なグループに〜ロビーとゲイリーの和解〜ロビー復帰)が、ここ20年の英国のポップ・ミュージック史そのものであったからなんだよな。英国ポップ・チャートの頂上で長年に渡って繰り広げられてきた物語が『Progress』にはつまっているのだから、太刀打ちできる作品など他にあるわけがないのだった。