映画『トラブル・イン・ハリウッド』(監督:バリー・レヴィンソン)観賞。★★。
署名活動に参加するのは結構なことだが、地道に劇場公開されているアメリカン・コメディ作品に普段からお金を落としていくのはそれと同じくらいに大切なことだと思うので渋谷のシネマ・アンジェリカまで行ってきましたよ。
それにしてもバリー・レヴィンソンの名前なんて久しぶりに聞くなあ、と思っていたら劇場公開作品は2001年の『バンディッツ』以来か! 本作は『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』よ再び!とばかりにロバート・デ・ニーロと組んだ業界内幕ものコメディ。前作『ロビン・ウィリアムズの もしも私が大統領だったら…』も『ワグ・ザ・ドッグ』路線の政治サタイア・コメディだったので、もしかしたらバリー・レヴィンソンからしてみれば『ワグ・ザ・ドッグ』はアカデミー賞にもノミネートされた「成功作」と考えているのかもしれんけど、あれはクリントン大統領のスキャンダルとたまたま重なったから話題になっただけで、映画としてはお粗末なものだったぞ。もちろんそういったところに気付けない鈍感さが近年の彼の不調の要因でもあるわけだが(そういえば『アメリカン・ドリームズ』のつまらなさは『ワグ・ザ・ドッグ』のそれに通じるものがあるよね)
『ワグ・ザ・ドッグ』に比べると本作は「これがメディアの最前線!」というような鬱陶しい気取りがなくて、ロバート・デ・ニーロは暑苦しさを抑えた力の抜けた演技(手抜き演技ともいう)になっているものの、ウディ・ハレルソンのような本物のバカがいなくなっていて、代わりにバリー・レヴィンソンのコネを最大限に活用したオールスター・キャストがヌルい演技を披露しているという、まあ要するに普通のつまらないコメディ映画。それにしてもバリー・レヴィンソンはここ20年ぐらいまともな作品を撮っていないといえるのではないか(『スリーパーズ』と『リバティ・ハイツ』がマシな程度)。とりあえず結論としてはバリー・レヴィンソンはもう1回ボルチモアに帰るべき、ってことだな。