★★★★★
傑作『Calling The World』からちょうど3年を経て発表されたルーニーの3rdアルバム。先行シングル「I Can't get Enough」のPVが映画『ザナドゥ』*1へのオマージュってだけで文句無し! こういうことをやるのが様になってしまう華のあるパワー・ポップ・バンドってほんとに貴重だし。
しかも『ザナドゥ』へのオマージュもただ何となくやっているわけではなくて、きちんとアルバムの内容を反映したものになっているのだから恐れ入る。特に本作の後半はジェフ・リン色強し。それも『Discovery』以降のどんどんチャラくなっていった80年代のE.L.O.的サウンドなのだから参ったね(ゴールドフラップやアップルズ・イン・ステレオの新作との近似性もあり)。そういえばロバート・シュワルツマンのソロ・プロジェクトであるソロボブのPV「The Victim」での彼のルックスも80年代のジェフ・リンを彷彿とさせるものがあったし、まったくどこまでも筋の通ったチャラけっぷりである。素晴らしい。
ドラマーのネッド・ブロワーがソングライティングを手掛けた「The Hunch」ではキッスの「Love Gun」をパクっていたりと、相変わらず格調高さなんてものからは縁遠いルーニーなのであった。ポップってのはこういうことよ。大好き! 全12曲42分。
↑ディスコの外観からしてモロ。
*1:ジーン・ケリー! オリビア・ニュートン・ジョン! E.L.O.!と三拍子揃った傑作ミュージカル映画。