Daniel Johnston/The Angel And Daniel Johnston
★★★★★
映画『悪魔とダニエル・ジョンストン』と対をなすライヴDVD。ダニエルのギターの弾き語り〜ピアノの弾き語りを皮切りに、アデムやジェイムズ・ヨークストン等のドミノ・レコーズ周辺のミュージシャンがダニエルのヘナヘナな歌声を的確にバックアップし(コード・オルガンもしっかりフィーチャー!)、全キャリアを満遍なく網羅した選曲でがっつり楽しませてくれる全19曲65分。
バック・バンドのメンバーはバイオリン・ベースを弾くし、ライナーノーツを執筆しているのはビートルズの音源研究家としてその筋では有名なダグ・サルピーだったりと、ダニエルのビートリーな側面を前面に押し出した作りが素晴らしい。『悪魔とダニエル・ジョンストン』は、ビートルズに心奪われた男の姿を描いた、ロバート・ゼメキスの『抱きしめたい』なんかと同列に語られるべき「ビートルズ映画」であったにも関わらず、そういった受け止め方をしたライター/評論家がほとんどいなかったのは少々残念だったんだが、本作を観ればそこらへんもきちんと理解できるはず。そんな本作を象徴するかのように 『ジョンの魂』なアレンジで演奏される「The Story Of An Artist」はとてつもなく感動的だ。
特典映像として収録されたインタビューも素敵な話が満載。『悪魔とダニエル・ジョンストン』ではあまり触れられていなかったビートルズへの愛を、本人が思い入れたっぷりに語っているのがやはり嬉しい。彼曰く、「ビートルズには文字通り命を救われたんだ。躁鬱病とその薬の副作用でどうしようもないほど辛い時が何度もあったけれど、ビートルズの音楽はいつだって僕を励ましてくれた」とのこと。
『悪魔とダニエル・ジョンストン』を気に入った人はぜひこちらも観てくれ!