★★★★
この秋に発売が予定されているロイシン・マーフィーの2ndソロ・アルバム『Overpowered』からの先行シングル。とにかくジャケットがアホすぎて最高。ヴィクター&ロルフのキテレツ服をこんなに着こなせるのはロイシンぐらいなもんだよ! 自分で照明を背負う姿がこんなにも似合う女性は他にいまい。しかも買い物帰りというシチュエーションが素晴らしすぎる。
音の方もそれに負けず劣らずの素晴らしい出来。ポール・ドルビーことセイジがプロデュースしたタイトル曲は、ファンキーな極太シンセベースがブリブリと唸りまくる、地味だけどキャッチーな一品(って書くと矛盾してるようだけど、まさにそういう曲なんだよ!)。この曲を聴いて、前作『Ruby Blue』がモロコ時代の一連の作品に比べるとイマイチな内容だったのは、結局のところマシュー・ハーバートの作り出したビートが弱かったせいだということがハッキリと分かった。というのは、ロイシンの書くメロディはブルーノートを多用した非常に「黒っぽい/アイリッシュっぽい」ものなので、それ相応の強いビートがないと輝きが弱まってしまうのだな。
カップリングとして収録された、80年代風なダンス・トラックの「Foolish」とディスコ調の「Sweet Nothing」もタイトル曲に肉薄する完成度。どれもビートとメロディが『Ruby Blue』以上に充実しているのが嬉しい。このレベルの楽曲でもアルバムから収録漏れだというのだから、『Overpowered』の充実度が窺い知れるというもの。期待がどんどん高まっていくぜ。そんな『Overpowered』のジャケ写がついに公開されたので紹介しておこう。
最高! もうこれだけで傑作確定!
Roisin Murphy - Overpowered