引き続きズーイー・デシャネル&マット・ウォードのアコースティック・ライヴから、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズのカヴァー「You Really Got A Hold On Me」をどうぞ。
Zooey Deschanel 「You Really Got A Hold On Me」(mp3)
おいらはズーイーと同い年だからよーく分かるんだけど、1980年生まれの人間って10代半ばの時期にビートルズの赤盤・青盤再発〜アンソロジー・シリーズの発売を経験しているだけに、つまりビートルズの「新曲」を多感な時期に聴いているだけに、(パンク世代以降続いてきた)ビートルズに対する愛を表明することに対しての「照れ」が完全に払拭されているんだよね。
ズーイーが1976年生まれのジェニー・ルイス以上に強固な「うた」志向を持っているのは、そんな世代的な側面も大きいのではないかと思う。それはたとえば、ジェニー・ルイスのトラヴェリング・ウィルベリーズのカヴァーのような、「ジョージ・ハリスンだけじゃなくてボブ・ディランもいたしー。トム・ペティもいたしー。ジェフ・リンもいたしー。ロイ・オービソンだっていたしー」といった(無意識の)エクスキューズを必要としないということだ(ついでに書いておくと、94年にデビューしたオアシスがブレイクしたのは、彼等のエクスキューズのなさ、ビートルズに対する臆面のない愛が、こうした新世代の価値観と共振したからだと思う)。今回の「You Really Got A Hold On Me」にしたって、ズーイーはまずはビートルズのカヴァーで覚えたのだろう。さらに言うと、ズーイーがキンクスを好きなのは、高校生〜大学生の時期にキンクスのオリジナル・アルバムの大量リイシューを経験しているからだよね。そんな妄想をしながらアルバムを待つおいらなのであった。