Josie Cotton/Movie Disaster Music
★★
「Johnny, Are You Queer?」や「He Could Be The One」のヒットで知られるジョシー・コットンが10年振りとなる復活アルバムをリリース! しかも、ジーザス&メリー・チェインの『Stoned And Dethroned』の系譜に連なるギター・ロック・アルバムを作り続けているゴールデンボーイのション・サリヴァンと(元メンバーである)デヴィッド・マッコネルが揃って参加! デヴィッド・マッコネルはプロデューサーも兼任!
という風にくれば、シスター・ヴァニラの『Little Pop Rock』のような傑作を期待するのは当然じゃないか。ところが実際に出来上がったのはロニー・スペクターの最新作のような代物なのであった。つまりはアーティストとしてのエゴばかりが前面に出ていて、キャッチーな楽曲が少ないということ。ゴールデンボーイ以外にも、ジョシー・コットンの実生活でのパートナーであるギーザーX(!)、「He Could Be The One」のソングライターだったラーソン・ペイン、エイミー・マンの近作のプロデューサーでもあるマイケル・ロックウッドといった豪華な面子が参加しているだけに勿体無いなあ。
とりあえず、ジョシー・コットンは自作曲ばかりに固執するのはやめて、たとえばファウンテインズ・オブ・ウェインのアダム・シュレシンジャーのような人に幾つか曲を書き下ろしてもらうのがいいと思ったね。彼ならゴーゴーズとかジョシー・コットンをリアル・タイムで聴いていた世代のはずだから、『プッシーキャッツ』のサウンドトラックがそうであったように、絶対に思い入れたっぷりの丁寧な仕事をしてくれるはずだし(しかも、この人は外仕事の方が良い曲を書く。最近の例だと「High School Never Ends」とかさ)。