Helen Love/Junk Shop Discotheque
★★★
2ndオリジナル・アルバム『It's My Club And I'll Play What I Want』からの先行カット!という衝撃的な予告(何せ15年近い活動歴にも関わらずオリジナル・アルバムは2000年に発表された『Love And Glitter, Hot Days And Music』しかないのだ)を伴って登場したヘレン・ラヴのニュー・シングルは、これまでの活動の集大成といった趣きだった前作「Long Hot Summer」から一転して、彼女達の新境地を示す意欲作である。
とにかく縦ノリ一辺倒だったこれまでと違って、リズムがやたらとグルーヴィーなのだ。まさかヘレン・ラヴに対して「グルーヴィー」なんて形容詞を使う日が来るとは。まあ、真相としては単に新しいサンプラー/ドラム・マシーンを購入したってことなんだろうけど。しかもブルージーなギター・リフがフィーチャーされちゃったりなんかして。そして相変わらず激ポップなラモーンズ直系の歌メロ。
『Love And Glitter, Hot Days And Music』前後のヘレン・ラヴって、今から考えると実はかなり煮詰まっていたように思えるんだけど、昨年の『The Bubblegum Killers E.P.』から今作までの好調っぷりから推測するに、彼女達はようやく突き抜けたのだと思う。『It's My Club And I'll Play What I Want』は、シングル・コンピレーションの『Radio Hits』シリーズを含めても彼女達の最高傑作になるはず。ピペッツを評価するんだったら、まずはその前にヘレン・ラヴを評価してくれ!