Be Your Own Pet/Be Your Own Pet
★★
昨年のサマーソニックに参加していたビー・ユア・オウン・ペットの1stアルバム。
bounce.comのインタビュー記事において彼等自身が「曲作りのポイント? うーん、とにかく思い切り楽しむことかな」と発言しているように、確かに聴いていると彼等が楽しんでいる雰囲気は十分に伝わってくるアルバムだ。でもさあ、(昨年のライブと同様に)聴いてる方はこれっぽちも楽しくないんだよ。
「レコーディング中はスタジオに友達がたくさん遊びに来てくれたんだ。だから、いつもみんなでハイグレードなジョイントをたっぷり吸ってたよ」との発言からも分かるように、「楽しさ」が内にしか向いていないのだ。当然ながらブルース・スプリングスティーンの『We Shall Over Come』なんかとは比べるべくもない。だいたい「恐るべきティーンズ・バンド」なんて言葉遊びの枕詞で誤魔化そうとしてるけど、要するに10代であることを売りにしないと聴くに耐えないってことじゃんか。
プロデュースを手掛けたのはレッド・クロスのメンバー兼アンナ・ワロンカーのヒモとして活動中のスティーヴ・マクドナルド。まあ、レッド・クロスのマクドナルド兄弟で才能があるのはジェフ・マクドナルドの方なので、こんなもんで妥当なんじゃないだろうか。いちおうビー・ユア・オウン・ペットの名誉のために申し上げておくと、かつて「恐るべきティーンズ・バンド」であったレッド・クロスの1stアルバムも本作とそうは大差ない出来栄えだったので、今後の彼等の頑張り次第ではまだまだ挽回は可能だとは思う。全15曲33分。