★★★★
ジル・ソビュールのサポート・ギタリストとして知られるジム・ボギアの2ndソロ・アルバム。前作『Fidelity Is The Enemy』(2002年5月26日に感想文あり)はそこそこの出来だったが、本作でついに化けた。
この人の強みは、職人肌のシンガー・ソングライターでありつつもエリック・カルメンにも通じる強い喉を持っている点だ。本作では前作以上にその強みを活かした作りになっており、「Made Me So Happy」や「Underground」といったこれまでになくハードかつシャウト決めまくりなナンバーを聴くと、彼が前作での「うしろむきでOK!」という態度を捨て去った事がよく分かる。
また、セッション・ミュージシャンとして長年働いて築き上げたコネを利用したのか、彼の実力に惹かれてきたのかは知らないが、本作はゲストがやたらと豪華。ジル・ソビュールは勿論、エイミー・マン、エミット・ローズ、アトラクションズのピート・トーマス、さらにはMC5のウェイン・クレイマー(!)までもが参加している。このゲスト陣の幅こそが彼の音楽性を的確に表していると思うのはおいらだけだろうか。
サッチモを模したシークレット・トラック「Still To Come」の様に、過去と現在を繋ぐ視線の確かさも特筆もの。ブッチ・ウォーカー一派の良さは認めつつも、イマイチ乗り切れない人(=おいら)にはバチグンのオススメ。全12曲50分。エイミー・マンとの共作曲「Shine」もあるでよ。