映画『Japanese Story』
(監督:スー・ブルックス)
★★★★
『イン・ハー・シューズ』(★★★★★!)が良かったので、teskereさん推薦のト二・コレット主演作を落穂拾い。おお、teskereさんの言う通り、まさにこれは「逆ロスト・イン・トランスレーション」だ!
『ロスト・イン・トランスレーション』の何が嫌いって、あの映画でのスカーレット・ヨハンソン(=ソフィア・コッポラ)は「異国の文化(言葉)なんて分かるわけがない」と、はなから異文化へ飛び込む事を拒絶しているわけでしょ。そんなんで孤独感を覚えたって、(輸入盤をDVDを取り寄せて分からない外国語を何とか解読しようとしている)おいらの様な人間からすれば「死ね」としか思えんよ。
それに対して、『Japanes Story』のトニ・コレット(と製作陣)には「文化(言葉)の壁を乗り越えてでも、伝えたい(理解したい)事がある」という意志がちゃんと備わっている。それは「なぜ物語を語るのか」という本質的な部分と密接に繋がっているわけで、だからこそ本作の中での主人公達のロマンスに異様に説得力があるのだ。クライマックスで彼女が喋る日本語は確かにド下手で聞けたもんじゃないんだが、こうした感情がしっかりと込められているからこそ、日本に住むおいらをも感動させてしまう事が出来るのである。
主演のトニ・コレットは文句無し。乳の垂れ具合まで含めて素晴らしい。『ロスト・イン・トランスレーション』があれだけヒットしたんだから、本作だってDVDスルーでいいから出してくれてもいいと思うんだけどなあ…。