Robbie Williams/Intensive Care
★★★
ロビー・ウィリアムスのアルバムで本当に傑作だったのは最初の2枚だけ(特に2nd『I've Been Expecting You』は名曲揃いの大傑作。ワールド・パーティーのカバー「She's The One」あり)で、以降の作品のクオリティは下降の一途を辿っているように思う。ガイ・チェンバースに代わる新たなソングライティング・パートナーとしてスティーヴン・ダフィー(!!)を迎えた今作でもその傾向に歯止めをかけるのは難しかったようだ。
そもそもスティーヴン・ダフィーという人は、初期の"チンチン"時代を別にすれば、キャッチーな曲を書く能力に長けた人でない事は明らかなわけで、英国を代表するポップ・シンガーの共作者という大役はさすがに荷が重すぎた。たとえば「Spread Your Wings」なんかは、「ライラック・タイムの新曲」としてならば歓迎されるかもしれんが、「ロビー・ウィリアムスの新曲」としてはどう考えても地味すぎるだろ。ダフィーもダフィーでせっかく共作者という立場を得たんだから、ロビーを英国フォークに接近させてみるとか色々やってみなさいよ。
とまあ色々と文句を言いつつも、ロビーの根っからのエンターテイナーっぷりと、近年の好調を維持したダフィー節のおかげで、飽きずに最後まで聴き通せる事は確かだ。特にライラック・タイムのファン(=おいら)にとっては。所々でロビーがダフィーを意識した歌唱法を披露しているのは楽しいですな。全12曲52分。