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かなしいうわさのフジロックでの絶賛レビューを読んで買ってみた。おお、確かにこれは良いぞ。とにかく最高の「うた」が詰まっているんだわ。クラッシュの名曲カバー「Janie Jones」が全く浮いておらず、彼自身の手によるオリジナル曲も同等かそれ以上の輝きを放っている。しかもバックを務めるはN.Y.のスカ・シーンを代表するバンド、スラッカーズだ!(彼等の所属レーベルであるヘルキャット・レコーズのオーナーはランシドのティム・アームストロング)。
以前に『4-Track Adventures Of Venice Shoreline Chris』や『4-Trackaganza!』といったアルバムを出している事からも分かるように、この人は宅録人間としての顔をしっかりと持っているのが嬉しい。本作でもサウンドの組み立て方なんかは明らかに宅録人間のそれだと思う。ほとんどの曲がギターのコード・ストロークだけで始まるのはその証左だろう。モノラル気味のザックリとした音質も素晴らしい。
最上級のスカ・アルバム兼シンガー・ソングライター・アルバム。この間のサマーソニックでスペシャル・ビート→ラーズと続けて観たせいもあって、リー・メイヴァースが考える理想形の音楽ってこういう事なんじゃねえの?とか思ったりもしたよ。全12曲36分。必聴。
ちなみにジャケットでの彼の格好は、スラッカーズとの共演アルバムに「Slackness」というタイトルを付けた事を踏まえた上での脱力ギャグですな。