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おいらが今年初めて聴いたバンドの中で、もっとも大きな衝撃を受けたのがオーストラリア出身の彼女達。まあとにかく「Aw Yeah」のPVを観てくださいよ。バンド編成も含めていちばん近い存在はヤー・ヤー・ヤーズなんだろうが、グレイツの(主にピッチフォーク周辺における)評論家連中からの受けが圧倒的に良くないのは、ヤー・ヤー・ヤーズと比較しても彼女達の方が遥かにバカっぽいからだろう。だが、おいらはバカなので堂々と褒めるぞ!
3rdアルバムとなる本作では制作中にドラマーが脱退してしまったこともあって色々と難産だったようだが、結果としては訳の分からない八方破れな勢いに満ちていた『Gravity Won't Get You High』〜『Teeth Lost, Hearts Won』から一転してベーシックなギター・ロックへと回帰、「うた」を前面に押し出してきて地力を発揮した印象だ。「Sweet Dreams」なんてキーボードの音色のチョイスも含めてアイドルワイルドみたいだし、やっぱりシー&ヒムとかベン・リーとかバディ・ホリーが好きなのね、というところが窺えるポップなメロディも冴えている。あと、このバンドのヴォーカリストであるペイシェンス・ホジソンは大きな母斑があって左半身が赤いんだけど、それをワン&オンリーな個性にしてしまっているところも本当に素敵だと思う。Be proud of who you are and don't be scared! ってもんだぜ。さりげなくチンコを強調しているジャケットもナイス。全11曲39分。傑作。
↑このPVは(YouTube画質でも)比較的ペイシェンス・ホジソンの母斑が確認しやすいですね。
↑ペイシェンス・ホジソンはロイシン・マーフィーの後継者!このダンスとか映画『ロミー&ミッシェル』のクライマックスばりにアホで切ないんだってば! おいらはこんな風に無駄に踊りまくる人が好きなのさ。
↑ペイシェンス・ホジソンのソロ名義で発表されたゴー・ビトゥイーンズ「Lee Remick」のカヴァー。I→V→IV→Vというコード進行(このヴァージョンはキーがC#なのでC#→G#→F#→G#)を延々と繰り返すだけの超ポップな名曲! そういえばワナダイズもこの曲をカヴァーしていたっけ。