先日ちょっとだけ紹介した『Once Were Brothers: Robbie Robertson And The Band』が『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』という邦題で10月に日本公開されるんすね。ザ・バンドの音楽がいかに「革新的」であったかというのがよく分かるドキュメンタリーなのでお勧めですよ。
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そういえば、この動画の1分9秒辺りからの女の子の変な踊り最高だな。音楽が好きっていうのはこういうこと!というのを完璧に体現している動きだと思う。
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やったー!「ザ・フー入門」だ。『Who's Next』と『四重人格』のジャケットの挿入画像が間違っているの以外は最高(コメント欄も熱くて楽しい)。とりあえずザ・フーの入り口としては、オリジナル・メンバーでの最後のライヴとなった(キャメロン・クロウも『バニラ・スカイ』で引用した)映画『キッズ・アー・オールライト』のクライマックスの「無法の世界」を見ておけばいいと思います! ちなみにマフスのロニーがベースにナンバリングしているのはこの時期のザ・フーのピート・タウンゼントの真似っすよー。
「ロックとは何か?」と問われたらこれ見せればいいってくらいこのライブには全ての要素が詰まってる。後半のピートがスライディングしてくるシーンは何度見ても鳥肌が立つ。ほんとカッコいいな。
— +++masa+++ (@masa2soul) 2019年10月18日
The Who - Won't Get Fooled Again (Shepperton Studios / 1978) https://t.co/JUCqoLvvbH
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バーズの1stアルバム『Mr. Tambourine Man』のオリジナル盤LPに書かれている英文ライナーノーツはポップ・ミュージックを聴いていく上での最大の心得が書かれているので絶対に読んだ方がいい(もちろん、現在売られているCDを買っても読むことができる)。
音楽の趣向の変化についてのジム(=ロジャー・マッギン)の弁はこうなんだ。「違いは、僕達の時代の機械音にあると思うよ。1940年代の飛行機の音はrrrrrroooooaaaaaaaahhhhhってな感じだった。で、シナトラや他の人々は、そういった感じの、そういった種類の響きでもって、歌ってたわけさ。今僕らが聞いているのは、krrrriiiiisssssshhhhhhhhhっていうジェット音で、だからバンド少年達はその大音響の中で、大声張り上げて歌ってるんだ。それぞれの時代の機械音ってやつさ。機械音が違うから、音楽も違う」
だから機械音だとか街の喧騒に耳を傾け続けていれば、今の時代の音楽が分からなくなることはない。逆に言えば、昔の音楽を聴いて、昔の街の喧騒を想像して楽しむこともできる。このことを自分は高校生の時に『Mr. Tambourine Man』を聴き込んで学びました。
余談だけど、どうして『タイムズ・スクエア』がロック映画として最高なのかというと、全編ニューヨーク・ロケかつ当時のロックの名曲が流れまくる内容で、1980年のニューヨークの喧騒が映画にしっかりと刻み込まれているからです。
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映画『LETO』の名盤ジャケット再現シーンはナードマグネット「Mixtape」のPVのパクリ。ナードマグネットが1カットの力技で幾多の名盤を再現していたのと比べると、『LETO』のそれは数も少ないし別撮りで繋ぎ合わせているだけなので覚悟が足りないと言えるわな。この映画は冒頭のトーキング・ヘッズ「Psycho Killer」のミュージカル・シーンが恥ずかしすぎて(『タイムズ・スクエア』や『ストップ・メイキング・センス』から40年近く経っているのにあのセンスはない)、「こんな映画が面白いわけない!」と思っていたら実際にその通りだった。ラストは「ロック映画のバラード問題」にも抵触するし。
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『キスから始まるものがたり2』で登場人物がロマンティックスの「What I Like About You」のスペイン語版を歌うシーンがあるんだけど、『Love』や『ストレンジャー・シングス』でもロマンティックスの曲が使われていたし、2014年にファイヴ・セカンズ・オブ・サマーがこの曲をカヴァーしたことなんかが契機となって、明らかに近年はパワー・ポップの枠を超えたところで再評価されてきている感があるな。